ある日、仕事から帰ったら暑くて汗だくだった。ちょうど冷蔵庫に半分のスイカが有ったので一気に食べてしまった。そのあと妻も帰宅し、「ああ蒸し暑い、喉が乾いた」と言いながら冷蔵庫を開けたが、スイカはなく水もなっかた。

「家に戻ってお湯くらい沸かしたら」と妻が言った。

「なんで俺がやらないといけないのだ」と私は言い返した。

そのまま互いに一言も発しなくなった。

 一週間後にようやく仲良くなって家族と実家に戻った。その事情を両親に話すと「他人のことも考えないと」両親が私に言った。私はその言葉を気にかけなかった。

 次の日、私が買い物から戻ると、父親は半分のスイカとスプーンを出して、「さあ食べて、余った分は奥さんにあげてください」と言った(中国では丸ごとのスイカを半分切ってスプーンで掬って食べる習慣がある。)

 昼ごはんの時、父親は食べ残した半分のスイカ二つ出した。一つが私、もう一つは妻が食べたものだった。「どこが違うか」と父親に聞かれたが、よくわからなかった。「あなたは真ん中の一番美味しいとこらから食べたのに対し、奥さんはあらかじめ真ん中から二つに分けてもう半分を綺麗に残した。スイカは真ん中が甘いに決まっている。だが奥さんは自分で独り占めしなかった。小さいことだけど、奥さんは気配りが上手だった」

 私は顔が赤くなり、今まで妻がしてくれたことを思い出した。仕事から戻ったらスリッパを用意し、お茶も出してくれた。雨の日には傘を用意してくれたが、それらはすべて妻の愛情だった。

 話しているうちに昼ごはんの餃子も厚くなくなって食べごろになった。「こちらの水餃子は熱くないからどうぞ先に食べて」と私は妻に言った。「両親の前でよく言えたね」と妻が笑った。

 「これからいい夫になるよ」と私は心で誓った。

(翻訳・周文)