(旗人のツイッターより)

 中華民国の国家中山科学研究院はこのほど、台湾南部・屏東県にある九鵬基地で特殊なミサイル試射を実施した。これは射程距離2,000キロの「雲峰(うんほう)ミサイル」の発射実験に関連したものと思われる。

 米国の戦略国際問題研究所(CSIS)の報告によると、雲峰ミサイルは、中国の中北部に到達できる数少ない「台湾の戦略資産」の一つだという。

 両岸政策協会の張宇韶(ちょううしょう)副秘書長によると、雲峰ミサイルの台湾にとっての意義は、源流攻撃能力を高め、中国共産党(以下、中共)軍があえて我々に先制攻撃をしないように相互確証破壊の抑止力を持つことだという。

 張宇韶氏はまた、「中共軍の最も主要な中距離ミサイルである『東風9号』と『東風15号』は、江西楽平市のロケット軍基地に置かれており、どちらも射程距離は1,000キロ以下で、東京やマニラを攻撃することはできないが、台北を攻撃することができる。一方、雲峰ミサイルは、江西省楽平市ロケット軍本部に対して、源流攻撃ができ、中共軍の中距離ミサイルの中枢を破壊することができる。これは台湾にとって、第一の戦術的価値がある」と述べた。

 また、雲峰ミサイルの射程距離は、中南海や三峡ダムもカバーしているため、中共に衝撃を与える戦略的な重要性を持っている。CSISの公式ウェブサイトでは、雲峰ミサイルはまだ開発段階にある陸上攻撃型の巡航ミサイルであり、1996年の台湾海峡危機以降、台湾が密かに開発してきた武器であると紹介されている。

(翻訳・吉原木子)